子供の興味 伸ばしてあげたい

信濃毎日新聞 2005/05/23掲載

今年のゴールデンウィークは、天候に恵まれ、各地とも親子連れでにぎわった。

飯田市の「かざこし子供の森公園」も同様、近隣の多くの方々から寄贈された百本ものこいのぼりが泳ぐ園内に、

県内外から多くの家族連れが訪れた。

われわれ「おもしろ科学工房」も四十人のスタッフが総出で連日、サイエンスショーやワークショップを行った。

野外での「百㍍高く飛ぶモデルロケットの打ち上げ」「ドラム缶つぶし」「巨大シャボン玉飛ばし」、

屋内の「理科実験ミュージアム」での「超低温の世界」「大気圧の不思議」といったメニューに、熱心に取り組む親子の姿が見られた。

とりわけ関心を集めたのは、工房スタッフが考案、製作したオリジナルの実験装置である。南信地域の自然を題材にした「諏訪の間欠温泉の原理」や、飯田の大平峠などで見られる「樹氷の原理」のほか

地震による液状化現象で倒れる建物の実験、水を満たしたペットボトルでつくる「金魚の展望台」などある。

ふだん、かざこし子供の森公園を訪れるのは、近隣の子どもたちが主だが、連休ともなると県外や、県内でも遠い地域からの来訪も多い。

三重県津市から旅行ガイドブックに書かれたイベントを目当てに、二家族合わせて九人でやってきたグループもいた。

われわれはここでさまざまな実験をするにあたって一人一人が自分で考え、手を使ってものを作ることで創造性が伸びていくという事実を踏まえて、どんな小さな子でも最後まで指導している。

科学の不思議さ、美しさ、面白さを体験させたいというわれわれの一途な思いは、遠い地域にも伝わっている。

そして、科学に興味を持つ子供、その興味を伸ばしてあげたいと考える親がこれだけいるのだと、にぎわう園内を見て思った。

横浜市から来たという女の子が帰り際に言った「この公園はとても楽しいところ。また来たい」。

われわれを何より元気づけてくれる言葉である。

この場所を全国の子どもたちの楽しい理科実験の場に、科学の面白さを味わう「宝の山」にするのだ、という思いを新たにした。

※ この記事は信濃毎日新聞社様のご協力をいただいて掲載しています。

Home
開催予告
活動レポート
お問合せ
Search