好奇心とやる気を伸ばすには

信濃毎日新聞 2006/01/30掲載

4年前、小学校六年生だった北林君、矢野君、北原君の三人は、当時飯田市にできた「かざこし子どもの森公園」の理科実験ミュージアムで、毎週土・日曜日に開かれる実験教室のリピーターであった。
彼らは東中学で科学部に所属し、それぞれの研究を進めてきた。その三人が今春、卒業する。

彼らは市の科学教育ボランティア「おもしろ科学工房」のスタッフにもなり
ミュージアムで小学生の実験指導をした。
そのかたわら、彼らが「宝の山」と呼んだミュージアムの実験室で、自分たちの研究テーマに沿って実験を進めてきたのである。

実験室には必要な材料や工作用の工具、測定器がそろっており、それらを自由に使うことができた。
また、オシロスコープやストロボスコープなどの使用法を教え、部品の製作を手伝ってくれる企業の技術者や元電気科の教師といったスタッフがいた。

この3年間に彼ら三人を中心とした東中科学部は「親子傘太陽炉の研究」、「電磁誘導式風力発電機の研究」、「ロボットの研究」、「伊那谷の花こう岩に含まれる放射性鉱物の研究」などを行い、二度にわたって県知事賞を受賞した。

大小二個の傘を組み合わせてミラーを張ったこの太陽炉は20分でゆで卵を作ることができた。
また、風力で回転する自転車の車輪に埋め込まれた三十個の強力ネオジム磁石により
コイルに誘導電流を発生させる斬新なアイデアの風力発電機の製作や、古いテレビや複写機を分解して
偏向コイルやX・Y軸移動装置を取り出してロボットを作り
また今まで未知とされていた伊那谷の花こう岩の中に含まれる微量の放射性鉱物を取り出し
霧箱で白い直線状に飛ぶ放射線の飛跡を撮影することに成功したのである。

中学生の好奇心とやる気を伸ばすために、地域社会が学校と協力することが以下に大切かを示す実例として
広く知らしめたいとわたしは思っている。
飯田市教育委員会はこうした「ものづくりと人づくり」を地育力の向上というモットーの下に強力に推進しつつある。

※ この記事は信濃毎日新聞社様のご協力をいただいて掲載しています。

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