「小惑星探査機(はやぶさ)から学ぶこと」
日本人がこれ程感動し、興奮したできごとは今まであっただろうか
小惑星探査機「はやぶさ」が7年間かけ、60億kmにわたり広い太陽系の旅をして、地球のもどってってきた。
この奇跡とも言える事実に直面して、日本だけでなく、世界中の人々が驚嘆したのである。
◎「はやぶさ」は地球の重力を利用したスイングバイにより「イトカワ」の起動に移る技術の開発に成功した。
地球から3億kmもはなれたわずか500mの大きさの小惑星「イトカワ」を追うため
相模原の宇宙研究所のスタッフは、世界一を誇る固体燃料ロケットMV-5を製作し
その中に探査機「はやぶさ」を入れて、2003年5月9日に鹿児島の内の浦から打ち上げた。
人工衛星「はやぶさ」は、太陽を1年間かけてまわり、「イトカワ」の軌道に近づいたとき
地球が「はやぶさ」を引きつける強い重力を利用して加速と
方向変換のできるスイングバイ(重力パチンコ)の技術を用いて「イトカワ」の軌道に飛び移り
宇宙研究所が新しく開発した長時間連続運転のできる超省エネのイオンエンジンにより加速し
約1年後「イトカワ」に近づいた。
ランデブーは成功し、「はやぶさ」は「イトカワ」に上陸し、記念品を残し
2010年6月13日に。7年後の旅を終えて地球に戻ってきた。
すべて宇宙研究所が開発したオリジナルな科学と技術によってなしとげられたこの快挙に
日本中が興奮したのである。
◎「はやぶさ」の快挙を、宇宙の神秘、科学の法則の見地から子供達に教え、考えさせよう。
私も一度、八王子からJR横浜線に乗り、淵野辺(ふちのべ)駅の近くにある宇宙研究所に行ってみた。
平日なのに、観光バスから小さな子供の手を引いた親子や高齢者が降り
次々と宇宙研究所の見学コースに入って行った。
そこには実物大30mのMVロケットや「はやぶさ」や日本のロケットの父糸川英夫博士の作られた
55年前のペンシルロケットの展示があり、また近くの市立博物館のプラネタリウムでは
「帰ってきたはやぶさ」が上映されていた。
そこも長蛇の列で、私は2時間並び、3回目の上映でやっと見られた。
毎日毎日このような押し寄せる人々を見て私は考えた。
一体何が人々をこんなに感動させるのか、それは日本の科学者、技術者が1つの目的のために力を合せ
おおくの困難を乗り越えて遂に前人未到の成功を勝ち取り、世界にその素晴らしさを示してくれたとゆう事実に対して、
強く共感したからである。
私はその見学者を見て考えた。
展示されるものは殆どテレビや新聞などマスコミで報道されているものばかりである。
この展示を見て本当にこの快挙の意味を理解できるだろうか。
一体、7年間、60億kmを「はやぶさ」はどのようなコースを飛行したのだろうか
太陽をまわる公転軌道は、地球も「はやぶさ」も「イトカワ」もみな異なるが
「はやぶさ」が「イトカワ」の公転軌道に移るスイングバイとは一体どんなことなのか
そうした説明は至って少なく、また難解である。
私は宇宙研究所に電話して聞いてみた。
送られてきた専門的な資料を見て、私は納得した。
「はやぶさ」が多くの故障を乗り越えて達成した多くの科学的成果を
子供達に理解させるための科学の基礎知識を教え。
考えさせることが今後も大切なことではないかと考えた。