「大気」とは私たちのまわりをとりまき、頭上約20kmほどにおよぶ空気の層のことをいいます。私たちは空気の海の底で生活をしているようなものです。普段感じることはありませんが、空気にも重さがありその力は1平方センチメートル当たり1kgにもなります。
今回のサイエンスショーでは、見えない空気が持つ力が起こすふしぎな現象の数々をとりあげました。最後にはその力でドラム缶をもつぶしてしまうという大実験を用意しました。
開演5分前で~す。みんな、集まれ~!
後藤先生のサイエンスショー、いよいよ始まりです。
最初の実験はくっつく容器。後藤先生のほっぺたに容器がくっついているのがみえますか?
容器に熱いお湯を入れて出した後すぐにくっつけます。容器が冷えるとあら不思議! 手のひらにくっついちゃいます。なぜでしょう?
今度はグラスの宙づり実験。水をいっぱい入れたグラスにフックのついたプラスチックのフタをします。フックのところを持ってもグラスは落ちません。ええ!どうして?
水入りグラスをフックで3つぶらさげてみました。見事グラスは落ちません。もちろん接着剤はつかっていませんよ。でも、ちょっとハラハラします。
グラスのフタには1平方センチ当たり1kgという大気の圧力がかかっています。その力がフタをグラスに押しつけているので離れないのです。
今度は透明の大きな水槽を使います。3つの水槽をあわせて11kgになります。でもフタははずれません。重いのでお客様にお手伝いをいただいているところです。理論的には小錦さんがぶらさがっても大丈夫だそうです。
沖縄の民芸品「教訓茶碗」です。欲張ってたくさん水を入れると、底の穴から水が全部流れ出してしまいます。ふしぎです。これも大気の圧力によるもの。
紙コップとストローで同じものが簡単にできちゃいます。これはおもしろい!
なぜそうなるか。モデルで原理を説明する後藤先生です。
お掃除用の吸盤同士をくっつけました。おともだちがそれぞれひっぱりますがはずれません。
はずれない手袋の実験です。ペットボトルの中に入れた手袋から手がぬけなくなっちゃいます。
石油ポンプも空気の圧力を使って作られています。その仕組みを説明している先生です。
アルミ缶をつぶす実験です。アルミ缶に水をちょっとだけ入れてバーナーで熱します。
十分水蒸気が出てきたら、水をはった水槽にサッと入れると、ありゃりゃ!
アルミ缶はペシャンコになっちゃいます。これと同じ方法で、なんとドラム缶もつぶすことができるのです。
遊びに来たおともだちも挑戦しました。「バシュッ」という音とともに実験は大成功!
さあ、食の工房「ぐつぐつ」前に場所を移動して、今日の目玉実験「ドラム缶つぶし」の始まりです。
ドラム缶に2リットルの水を入れ、強力なバーナーで下から熱します。
ドラム缶の口から十分な水蒸気が出てきたら急いでフタをして、外から水をたっぷりとかけます。そのまま3分…。
「ゴン!」という大音響、そしてご観覧のみなさんからの歓声とともにドラム缶はペシャンコになりました。
ドラム缶のあわれな姿です。面積から計算すると約10トンもの力が加わっていることになります。大気の力ってすごいですね!